【体験者インタビュー】「うつ病はつらかったけど、人生にプラスになっていると思う」30代Aさんの場合。

うつ病の症状は、千差万別。症状はさることながら、治療にかかる期間や必要な治療方法も、人によってさまざまです。そんなうつ病を、いろいろな角度から伝えるべく、インタビュー企画をやってみることにしました。

インタビュー企画第1弾は、Aさん(30代・男性)のお話。今は復職して明るく生活している彼に、発症からこれまでのことを聞いてみました。

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「つらいのが当たり前だと思っていた」

―うつ病を発症したときのことを聞かせてください。

当時は今の仕事に就いて2年目でした。まだ仕事に慣れていないのもあって、毎日忙しく、夜遅くまで残業していました。休みの日も仕事のことばかり考えてしまって。ストレスをうまく発散することができなかったんです。食事もだんだん摂れなくなって、体重も減っていき、夜もなかなか寝付けなくなりました。

その症状を、職場の同期に話したところ、受診したほうがいいんじゃないかと勧められて、病院へ行きました。

 

―自分では、受診しようとは思わなかったのですか?

自分では、病気だとは思っていませんでした。仕事も始めたばかりだし、みんなこんなもんだろう、つらいのは当たり前だろうと。仕事に慣れれば、楽になるだろうと思っていました。

 

―実際にうつ病と診断されて、どう思いましたか?

まさか自分が、と思いました。でももう限界だったので、休むのは仕方なかったです。

 

 

「休む環境が良かったのはラッキーだった」

―休職している期間はどうでしたか?

実家に住んでいたので、日常生活に関する心配はありませんでした。両親もゆっくりと見守ってくれていたので、つらくはなかったです。ただ、生活のリズムは乱れていたし、友人と会うこともほとんどありませんでした。症状に波はあったし、寝てばかりなことも多かったです。

 

―どのような治療をしていましたか?

通院しながら、薬物療法とカウンセリング、認知行動療法をやっていました。病院では薬の処方と短時間の診察のみで、カウンセリングなどは職場のカウンセラーの方に担当してもらいました。カウンセラーの方と定期的に話す時間があったのは、とてもよかったと思います。自分のことを知るという作業ができたので。

 

 

―今は復職しているとのことですが、どのように進めていきましたか?

症状が落ち着いてきてから少しずつ復職していきました。最初は出勤するだけ、次は1時間、それができたら2時間、午前中いっぱい…と徐々に時間を延ばしていきました。フルタイムに戻るまで、3ヶ月くらいかかりました。その前にも1回復職しようと試みたのですが、そのときはダメでした。2回目でようやく戻れました。職場の方も理解があって、ずっと待っていてくれました。

 

―休職する前は仕事がハードだったようですが、そこに戻るのに不安はありませんでしたか?

復職する頃、配置換えなどで上司や同じ部署の人が変わっていて、仕事内容も大きく変わったので、負担がずいぶん減っていたんです。今では定時で帰れるようになりました。働く環境が変わったことも、ラッキーだったと思います。

 

―薬も今はずいぶん減らしたそうですが?

調子が良くなってきたので、仕事が落ち着くタイミングで断薬しました。医師と相談しながら少しずつ減らしていって、今飲んでいるのは睡眠薬だけです。

 

 

「うつを経験したことはプラスだと思う」

―うつ病を経験したことに就いて、どう思いますか?

自分にとってはプラスだと思います。いろいろなことを楽しめるようになったし、生き方が変わりました。うつ病になってよかったと思います。

 

―再発の不安はありませんか?

今はほとんど心配していないです。だけど、環境が変わることは不安かもしれないですね。

 

―今、うつ病になった当時の自分に声をかけるとしたら?

もっと息抜きしようよ!と伝えたいです。

 

 

インタビューを終えて

うつ病を発症してからこれまで、5年かかったというAさん。その表情は明るく、生き生きとして見えました。今では趣味を楽しむ気持ちの余裕も生まれ、公私ともに充実しているそうです。

Aさんが順調に復職し薬を手放すところまで来れたのは、本人の努力ももちろんですが、周囲の理解も大きかったと思います。ご家族の見守る姿勢、復職に向けた職場の環境など、やはりまわりの人たちの協力がないと、乗り越えるのは難しいのかもしれません。

貴重なお話を聞かせていただいて、ありがとうございました。

 

Health, こころ, インタビュー

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この記事を書いた人

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当ブログの管理人:小松亜矢子です。

フリーライター/元ナース/元うつ病患者。福岡県出身、横須賀市在住。

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