町のクリニックでもあり得る、薬の過剰投与の実態


 

精神科の薬は、効果を数値化して評価することが困難です。本人や家族の症状の訴え、入院中なら医療従事者から見た客観的な症状をもとに判断することになるので、その薬が必要な理由というのも、患者側からは見えにくいもの。だからこそ、精神科の薬を処方してもらうときには注意が必要なのです。

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大病院で起こった、薬の過剰投与の実態

今日、ニュースアプリのフィードに流れてきたこんなニュース。

特別寄稿 『ブラック精神科医に気をつけろ!』 第1回「うつの痛みと過剰投薬の実態」|現代ビジネス

この記事では、最近話題になった「うつの痛みの治療」に関する話と、薬の過剰投与によって話すことができなくなってしまった患者の話が主に書いてあります。

 

痛みがあると、うつなの?

この問いに答えるとするなら、「NO」です。この記事に詳しく書いてありますが、「痛み」というものは、うつの主症状として認められていないものです。

精神疾患の国際的な診断基準(DSM―5、ICD10)は、痛みをうつ病の主症状とはしていない。ところがキャンペーンは、頭痛や肩の痛みをうつ病の主症状であるかのように取り上げ、うつ病治療へといざなっていたのだ。

たしかに、うつで心の元気がなくなってしまって、いつも以上に頭痛や肩などの痛みを感じてしまったりすることはあるでしょう。腰痛を訴えていた人が、カウンセリングと腰痛体操で改善したという話もあり、整形外科を訪れる患者の中には、精神科治療を必要とする人も中にはいます。しかし、だからといって「痛み」をすべてうつと判断してしまうのは、かなり危険です。

他の治療方法で十分だった人が、安易に痛みがあるからうつだと思って受診し、精神科医が「うつ症状がある」と判断して処方してしまうと、不要な薬を飲むことになります。その薬を飲むことで、症状が良くなるどころか、逆に不調に悩まされてしまう可能性もあるのです。

 

「不要な治療」をされる患者

この記事に出てくる男性患者さんは、10代の頃に「常同行為(決まった動作を繰り返すこと)」が激しくなり、精神科に受診し入院治療を行い始めたところから、状態が悪くなってしまったそうです。

入院は1年に及んだ。この間、多感な少年は多剤大量投薬を受け続けた。「僕には薬は効かない。薬じゃ治らないんだ」。タクヤさんが病室でいくら叫んでも、主治医は聞き入れなかった。両親もまた、息子よりも精神医療を信じて、必死の叫びを聞き流した。母親は「おかしいのは私たちのほうだった。後悔してもしきれない」と悔やむ。

常同行為というのは、統合失調症に多く見られますが、自閉症でも見られる症状とのこと。この自閉症を含む発達障害と統合失調症の判断を誤り、不要な薬を大量に投与し続けられたのだそうです。

医療を信じた親。薬の効果がないのを訴え続けた息子。もちろん、薬を増やし続けても効果が現れることはなく、むしろどんどん悪化してしまい、ついには電気ショックをなんと13回も受けるという結果になってしまいました。その後、彼は言葉を発することができなくなってしまったそう。

不要な薬は、逆に患者を悪化させてしまう危険があるのです。

 

 

クリニックでも行われる、大量投与

薬をどんどん増やす医者

私はこれまで3か所、精神科の病院・クリニックに通院していたことがあります。最初は自分が勤めていた病院、その後は個人クリニックです。このうち、2つ目の病院で薬をハイペースで増やされた経験があります。

前にあげたニュース記事のように極端な大量投与というわけではありません。しかし、1~2週間に1度受診するたびに、「あまり良くない症状がある」と訴えると、すぐに薬の量が増えていきました。薬は増えたけれど、症状は一向に良くならない。逆に調子が悪くなっていったのです。

引っ越しをした関係で、3つ目のクリニックに転院。そこで担当医に、この薬の量は多いと指摘されて、初めてこんなに飲まなくても良かったんだと気がつきました。少しずつ不要な薬を減らしたり、量を調節したりして、少しずつ調子は良くなりました。

 

常に大量に処方されているうつ患者

ときどき、「私は薬を10~20種類も飲んでいる。症状はサイアクだ」と言っている人がいます。それ、ほんとうに病気のせい?と、思ってしまいます。

精神科で処方される薬の添付文書には、こんな注意書きがあることがあります。

  • 18歳(または20代くらいの若い年代以下)には、注意が必要
  • 自殺企図、自殺念慮のある患者には注意が必要
  • 臨床試験において、若い年代には有効性が確認できなかった
  • 他の精神疾患に投与するときは慎重に行うこと
  • 他の精神科薬との併用には注意すること
  • 少量から投与を始めること

などです(この通りに書いてあるわけではありません。また、どの精神科の薬にもすべてのことが書いてあるわけではありません)。

しかし、これらを知っていれば、10代の若い患者にこのような薬を大量に投与するのはおかしいと考えられます。また、「死にたい」と口にしたり思ったりしている患者に対しても同様です。極力少ない種類を、少しずつ症状を見ながら使っていかなくてはならないのです。

しかし、近所にあるクリニックなどでも起こりうるこの事態。私が推察するのは、「とにかく薬で症状を抑えつけたい」か、「製薬会社との関係が密接すぎる」かということです。

薬を大量に使えば、少し落ち着いたように見えることもあります。それは、薬の影響が強く出ているがために、考えることができず、行動ができなくなるだけなのです。強烈な薬で症状を無理やり押さえつけているだけです。

また、製薬会社は薬が売れなければ商売にならないので、医師に営業をしてきます。そのこと自体はいいのですが、その薬を無理やり理由をつけて処方するということが起こりえます。薬の処方にすべて製薬会社との関係が絡んでいるとまでは言いませんが、やたらと薬を処方する医師は注意が必要かもしれません。

 

 

まとめ

抗うつ剤などは、効果が現れるのに2~3週間必要と言われることがあります。ゆっくりと様子を見ながら調整していくことが望ましく、すぐに量や種類を増やしたりするのは逆効果です。この処方内容おかしいな、と思ったら、医師に訴えたり、他のところを受診するのも手だと思います。

 

 

今日のおまけ

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正面からのマリン。夫のからだと、ソファの背もたれに挟まれてます。この位置が好きみたいで、よくここで寝ています。この写真、手がすごく大きく見える!

 

 

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